
≪2≫『一口30回!噛み』を身につけましょう。
1)長い間の噛み癖が身についているため、意識して『一口30回!』の噛み方を脳に記憶させないといけません。
よく噛むためには、意識的に食物を舌の前半部分(舌尖部)に置きます。
通常、口に中に入った食物が舌の前側にあれば、舌の先端を使って食物を巧みに動かすことが出来ます。
しかし、舌の後ろ側に食物が行くと、反射的にゴックンと飲み込んで(嚥下反射)しまい、よく噛まずに食べることになります。
トレーニング法として次のような方法があります。水を口に含み、飲み込まないように舌先を動かしたりして、水を噛む練習をします。
2)うまく『一口30回!噛み』が出来ない人には、食事の前・後にガムを利用する方法があります。
@食前にガム1枚を5〜10分噛みます。ガムを噛むことで、舌を使って巧みにガムを動かします。この噛み方は「一口30回!」の噛み方に適した噛み方です。
A次に『一口30回』噛んで食事をする
@)食物を口の中に入れたら箸を置きます。
A)右側の歯で5回噛みます。舌を使って食物を左側の歯に送り、さらに5回噛みます。同じ要領で、もう一度左右5回ずつ噛みます。
B)最後に両側の歯を使って、あと10回噛みます。
Bさらに食後にガムを1枚5〜10分噛みます。
満腹中枢の活性化により食欲が抑制され、また内臓脂肪(悪玉脂肪)が分解されて減少します。
※ 当医院では、噛む力を鍛える歯科用ガムを販売していますのでご利用下さい。
≪3≫自然に近い、噛みごたえのある食材を選び、調理の工夫をしましょう。
軟らかい加工食品やインスタント食品があふれている中で『一口30回!』噛みを継続することは、非常に難しいことです。 つい、よく噛まずに食べ過ぎてしまいます。食材の本来の味を知り、しっかり噛むために、調理の仕方も工夫する必要があります。その5つのポイントを紹介します。
@ 大きく切る
同じ食品でも切り方の違いで噛む回数も変わります。(野菜のせん切りより乱切り、薄切り肉より厚切り肉の方が噛む回数は多くなります。)
A 加熱時間を調節する
食材により加熱することで噛みごたえが変わります。(野菜は加熱するほど軟らかくなり噛む回数は減り、魚、肉は加熱により噛み応えが出てきます。)
B 水分を減らす
加熱によって食品の余分な水分が抜ける調理法(揚げる、網焼きなど)で噛みごたえが増します。
C 食材を組み合わせる
一種類より複数の食材を合わせると、口当たりや味の違いが生まれ噛む回数が増えます。
D 薄味にする
濃い味は早く味を感じますから、よく噛まずに飲み込んでしまいます。
≪4≫入れ歯を装着している人は、多めに噛みましょう。
噛む能力が落ちていますので、「一口40回、50回」と多めに噛んで下さい。よく噛むことで唾液の量が増加します。その結果、入れ歯の吸着も良くなり、口の中の傷も出来にくくなります。
≪5≫『一口30回!噛み』でアゴの成長、発育を促し、また歯周病の予防になります。
歯にしっかり噛んだ力が加わることで、アゴの骨の表面を作っている骨芽細胞が栄養を積極的に取り込もうとして、 骨を作る作用が活発になり、アゴが成長、発達していきます。
また、よく噛むことで、アゴの骨と歯をつないでいる歯根膜細胞の糖合成も活発に行われ、 よく噛む習慣の人の歯は、ますます歯とアゴの骨とが強く結びつき、噛まない人の歯は歯とアゴの骨との結合が弱くなり、歯がぐらぐらしてきます。
すなわち、歯周病へと進行していきます。
丈夫な歯、丈夫なアゴの骨を作ることは、健康な生涯を送る基本条件です。

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